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キントレスキーの墓場

主にDMやアニメの事を書き連ねるブログです。

黒緑速攻が消えたワケ



今でこそ最速は赤の領分だが、デュエルマスターズには黒と緑が最速に君臨していた時代があった。それも1シーズンや2シーズンではない。6年間だ。


【黒緑速攻】。


1コストアタッカーの種類に長けた黒と緑はそのカードプールの広さを活かし、デッキの半分以上を1コストのクリーチャーで染めると、極限まで高められた再現性を武器に序盤の多面展開で他のデッキを圧倒した。

その速度はままに3ターンキルを起こすほどのものであり、リーサル速度の上限値だけを見れば現環境のトップメタとも遜色はない。


【成長バスター】や《龍装 チュリス》が登場した今でこそ3ターンキルなんてものは日常茶飯事となったが、当時彼らの右に出る者は無く「《フェアリー・ライフ》を撃った次のターンにはゲームが終わった」などとよく謳われたものだ。

そんな【黒緑速攻】は6年間に渡り環境トップをひた走るとアグロデッキの象徴と言えるまでに成長し、どこぞでは歌が作られ歌われるような輝かしい活躍を収めたが、ここ数年はその息を完全に潜めている。


彼らがその姿を消し始めたのは2015年/rev期辺りから。ここで一体何が起こったのか。





◼︎ 侵略・革命チェンジの登場


今まで【黒緑速攻】は、その速さをもって相手の防御札を乗り超えてきた。

1枚や2枚程度のS・トリガーで踏みとどまったところで、まだその背中は遥か先。相手がリーサルを切り返したり、盤面制圧をする前に押し切ることが出来たのだ。

しかし侵略・革命チェンジが登場したことでそれは一変する。

◉『デッドラインの変化』
◉『カウンター性能のインフレ』

が起こったのだ。



◉『デッドラインの変化』


まず、単純に黒緑速攻側のデッドライン(相手がこのマナ域まで到達したら大体死ぬってライン)に大きな変化が起こる。

以前まではメインフェイズにプレイされる即死級のエンドカードは《暴走龍 5000GT》であったり《獰猛なる大地》×《勝利宣言 鬼丸「覇」》であったりとそのコスト域は高く、

基本的にはブーストから投げる『超次元ホール』や《龍覇 グレンモルト》による多面処理等が決まって、やっとどうにかなるか…ならないか…というレベルのゲームが繰り広げられていた。


しかし侵略・革命チェンジの登場により、明確なデッドラインが4ターン目前後にまで大きく引き上がる。


1枚のカードから6打点を組める高い打点効率を持つ《蒼き団長 ドギラゴン剣》。
一度に複数枚の侵略をすることで強烈な盤面干渉を行える《轟く侵略 レッドゾーン》や《S級不死 デッドゾーン》。
更には4.5ターン目に飛んでくるロックカードである《百族の長 プチョヘンザ》や《時の法皇 ミラダンテⅫ》。

基本的に5マナあればゲームエンド級の大型の侵略・革命チェンジ獣が飛んでくるのだ。


『超次元ホールやグレンモルトによる多面処理が決まってどうにかなるか…ならないか…』

から

『超次元ホールや侵略・革命チェンジ元をプレイするとゲームに勝つ』

にまでゲームのハードルが一気に下がる。


以前まで《暴走龍 5000GT》や《獰猛なる大地》の横に据えられていたデッドラインが、【黒緑速攻】のリーサルターンのすぐ横にまで肩を並べてきたのだ。




◉『カウンター性能のインフレ』


【黒緑速攻】が消えた理由として、S・トリガーが強くなった事がよく引き合いに出される。確かにrev期から登場したS・トリガー群は優秀で、彼らを追い詰めた一因であるのは間違いないだろう。

実際これらの優秀なS・トリガーはその高い出力で【黒緑速攻】を減速させると、前述したデッドラインまでゲームを持ち堪えさせることに貢献した。


しかし最大の問題点として、侵略・革命チェンジは「お世辞にもS・トリガーとして高い出力を持つとは言えないカード」までもゲームエンド級の出力にまで引き上げてしまったことが挙げられる。


『侵略元・チェンジ元となるトリガー獣』
である。


侵略・革命チェンジは場に侵略元・チェンジ元さえあれば全くマナが無くても使用できるため、それらのトリガー獣を踏ませるだけでゲームエンドまで持ち込める。

そう、このギミックそのものが非常にカウンター性能に長けており、速度差で戦う【黒緑速攻】に対して構造的に強いデザインをしていたのだ。


それまで即死級のトリガーというものは数えるほどしか無かったのに、

《葉嵐類 ブルトラプス》を踏んでも
《終断γ ドルブロ》を踏んでも
《青寂の精霊龍 カーネル》を踏んでも

もうそれだけでゲームが終わってしまうレベルである即死級のトリガーを、彼らは格段に増やしてしまった。


これらに耐性を持たない【黒緑速攻】は、この侵略・革命チェンジが持つカウンター性能の高さにより、どんな試合展開でもトリガー獣を1枚踏むだけで簡単に逆転を許してしまういった致命的な弱点を背負ったのだ。



ーーーー


このように、侵略と革命チェンジがもたらしたカードパワーのインフレーションは、【黒緑速攻】の速さを否定していった。これこそが【黒緑速攻】が消えた最大の外的要因である。





◼︎ 侵略・革命チェンジに対抗するには


ではそんな侵略や革命チェンジに対して【黒緑速攻】はどう対抗していけば今の環境を戦えるのか?それは現環境のビートダウン群が体現してくれている。


【①】「侵略・革命チェンジに対してのメタを投入する」

例)
・《異端流しオニカマス》
・《洗脳センノー》


【②】「侵略・革命チェンジによるカウンターに対してこちらも解答札を用意する」

例)
・《蒼き団長 ドギラゴン剣》のカウンターリーサルに対しての《閃光の守護者 ホーリー》《終末の時計 ザ・クロック》などのS・トリガー。
・《百族の長 プチョヘンザ》《時の法皇 ミラダンテⅫ》といったロックカードに対しての《ドンドン吸い込むナウ》などの除去札。


【③】「そもそもそれらの契機となるS・トリガーを封じる」

例)
・『単騎ラフルル』
・《ジョジョジョ・マキシマム》など


以上の3つが基本だ。

現環境の第一線で戦っているデッキはこの①②③の全てを、もしくは複数を持っている場合がほとんどである。


侵略・革命チェンジの登場により、環境で戦う多くのデッキが、速度のみに頼ったビートプランへの完全な耐性を持ち始めたため、これらへのメタ要素が必須条件となったのだ。

現にこれらのメタ要素を一切持たない・持てないアグロ・ビートダウンが十分に活躍していないこの現状こそが、それらのデッキがこの環境の第一線で戦うに値しないアーキタイプであることを証明している。


【黒緑速攻】も最低限、①②③の内のいずれか2つを構築に取り入れなければ環境への復権は難しいだろう。それほど昔のビートダウン事情と今のビートダウン事情は違うのだ。






◼︎ 何故黒緑速攻はそれができない?


では何故、それとわかっていながら【黒緑速攻】はこれらのメタ要素を持たずに環境の底に埋もれているのか。


それは【黒緑速攻】が黒緑速攻であるからこそ発生する

◉『スロット圧迫』
◉『カードプールが大きく縛られる』
◉『コンセプト上メタ要素が機能し辛い』

と言った複数の問題点を抱えているからである。



◉『スロット圧迫』


前述した通り【黒緑速攻】はその暴力的な速度と高い再現性を得るために、デッキのほとんどを低コストアタッカーで埋め尽くすといった重いスロット圧迫を背負ったデッキだ。

逆にそうしなければ今のような再現性の高い多面展開は不可能になってしまう。

つまり、デッキ内のメタ要素の濃度を高めれば高めるほどデッキの本来の強みを阻害し、【黒緑速攻】は黒緑速攻でいられなくなるのだ。



◉『カードプールが大きく縛られる』


次に実際の構築段階において【黒緑速攻】にメタ要素を組み込もうとした際に弊害となるのが、カラーリングの問題である。

【黒緑速攻】は再現性の高い展開をするためマナベースを非常に重要視している。デッキのカラーリングを完全に縛り、その上で多色カードの枚数まで抑えてあるのだ。

つまり最低限『色が黒か緑で、且つ単色が望ましい』条件に合致したカードである必要がある。


また【黒緑速攻】は、序盤から多面展開をするといったデッキコンセプト上、リソースの尽きる速度が早い。

そのため、

●「マナの天井がすぐに頭打ちするため、プレイできるメタカードのマナコストが限られてくる。」

●「手札消費が激しいことでハンドレスな状態に陥りやすく、アンプレアブルなカードをトップから引いた場合に直接的な敗北の原因になりやすい。」

といった性質を持っている。


これらの性質もメタ要素を組み込もうとした際に採用できるカードの幅を極端に狭くしており、メタ要素の積み辛さに拍車を掛けているのだ。



◉『コンセプト上メタ要素が機能し辛い』


そして何よりも展開重視である【黒緑速攻】のデッキコンセプトと、メタ要素そのものの相性が壊滅的に悪いことが挙げられるだろう。


【黒緑速攻】は1ターン目から連続的に展開したクリーチャーがフルタップの攻撃を仕掛けることでその速度を生み出す。

つまりはメタ要素がプレイされるそのターンまでパンチを待てないのだ。待っていては【黒緑速攻】は本来の速度を完全に失う。

そのため、もし実際に【黒緑速攻】の条件に合致したメタ要素が登場しても、現環境のビートダウンに比べてその扱いが格段に劣るのは間違いない。





◼︎ 現環境のトップメタとの比較


これらの問題点により、【黒緑速攻】は現環境で生きてゆく術を失っている。その点、現環境で戦っているビートダウンは違う。


一番対照的で代表的な【ドギラゴン剣】を例に挙げよう。

彼らはどんなデッキにおいても3種類のカードで6打点を作れる。
『チェンジ元・ドギラゴン剣・ウララー』だ。

これらをフルスロット積んでもメインデッキ40枚のうちのたった12枚。


【黒緑速攻】が
『メインデッキ40枚とガッチガチの2色構成』を賭してやっとの思いで作る6打点の3ターンキルを、

【ドギラゴン剣】は
『12枚とフラットな1色』だけで行う。


残り28枚は何を積んでもいいのだ。
残り全てS・トリガーを積んでもいい、残り全て攻撃的なカードでもいい。



この余ったデッキスロットにS・トリガーやシノビを入れることで得られる

『自分より速い相手に追いつくことができる速度』。

この余ったスロットに相手のS・トリガーを封殺するカードを入れることで得られる

『自分より遅い相手から追いつかれない速度』。

この余ったスロットにドローソースを入れることで、本来であれば妨害により減速していたはずの自分の足を

『減速させない速度』。



実際のゲームでは目に見えない。
速度を凌駕する速度。

これこそ、【黒緑速攻】が持つことを許されなかった別次元の速度。

『スロット圧縮量』である。



それこそ単純速は今もなお同じ領域で凌ぎを削っているだろう。それは間違いない。

しかし、この別次元の速度は【黒緑速攻】を置き去りにした。そして今となっては新時代のビートダウンの常識になっている。





◼︎ ビートダウンに必要なもの


単に「ゲームスピードが上がった」とか「昔よりトリガーが強くなった」だけでは片付けきれない高い壁が、【黒緑速攻】と現代のビートダウンの間には何枚もあった。


【黒緑速攻】はもういない。


彼らを始めとする、昔ながらの速度と熱量で押す速攻は、別次元の速度に追いつけず時代の闇に溶けて消えた。

しかし別次元の速度、つまりスロット圧縮量はあくまでデッキ性質であり、デッキの強さそのものではないことを忘れてはいけない。

現に《蒼き団長 ドギラゴン剣》登場後も、これよりスロット圧縮量の小さい【レッドゾーン】が度々その姿を現している。



オニカマスなどの強力なメタ要素が混じり行くこの環境では、どうメタが動き、何が強くなるかなんて誰にも想定できない。

【黒緑速攻】を始めとしたメタ要素を持たないビートダウンも、環境トップに留まることは難しいだろうが、上手く環境の隙を突けば大型大会を勝ち抜くことができるポテンシャルを秘めているのは間違いないのだ。

重要なのは【黒緑速攻】が消えたことの本質を見極めることと、経験を活かすこと。これらの関係性は今後もトーナメントシーンで必ずお目にかかるだろう。



そして、速さだけでは勝てなくなったこの時代に、速さは何を見せてくれるのか。


《‘‘轟轟轟’’ブランド》。


新世代の長が率いる【ビートジョッキー】は、私がここでこんな話をしていても、きっと知らぬ顔で最速を目指すのだろう。

こんな理屈をこねて焼いたような記事なんて、引きちぎってブン投げるような、そんなシビれる速さを期待したい。





◼︎ 新時代の黒緑速攻


そしてこのような考察をする中で、現環境でも戦える【黒緑速攻】の構築を思い付いた。ぜひ参考にして欲しい。


『黒緑速攻ver.2018』

2 x トレジャー・マップ
4 x ドンドン打つべしナウ
4 x ファントム・ベール
4 x デデカブラ
4 x 界王類七動目 ジュランネル
4 x 天斬の悪魔龍 ジュランデス
4 x デスマッチ・ビートル
4 x ジャンボ・ラパダイス
4 x ジーク・ナハトファルター
4 x 天風のゲイル・ヴェスパー
2 x 水上第九院 シャコガイル


依然20枚以上の1コストの濃度を保つことで序盤の多面展開の再現性を担保。その上で、

❶「侵略・革命チェンジに対してのメタを投入する」

…《デスマッチ・ビートル》


❷「革命チェンジによるカウンターに対してこちらも解答札を用意する」

…《蒼き団長 ドギラゴン剣》のカウンターリーサルに対しては《ドンドン打つべしナウ》。


❸「そもそもその契機となるトリガーを殺す」

…《水上第九院 シャコガイル》


と、なんと上記の全てを満たした現環境チューン型の新時代【黒緑速攻】である。



すげえ!!!!

しかも《百族の長 プチョヘンザ》や《時の法皇 ミラダンテⅫ》によるロックに対しては、《ドンドン打つべしナウ》+《ファントムベール》で除去が出来るぞ!!環境トップ待ったなし!!!!


ドンドンドコドコ!!


うんちぶりぶりブリキング





おわり。



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  1. 2018/06/08(金) 19:58:03|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
<<【契約マチュー】でCSに挑んだ話 | ホーム | ドギラゴン剣というカードの話>>

コメント

しっかりと考察し最後にはもはや黒緑速攻とは言えないレシピを叩きつけて(自分が)壊れる
面白い
  1. 2018/06/08(金) 21:12:08 |
  2. URL |
  3. 名無しのDMP #-
  4. [ 編集 ]

黒緑速攻と相性が良さそうなマタドールマルークゼに触れなかったのは何故でしょうか。
  1. 2018/06/09(土) 00:53:18 |
  2. URL |
  3. #-
  4. [ 編集 ]

いやーマタドールいたところで黒緑速攻は剣とかに総合面で勝てないでしょうし、変に持ち上げず落としたほうが記事としてはいいでしょう
  1. 2018/06/09(土) 01:12:56 |
  2. URL |
  3. 黒騎士 #-
  4. [ 編集 ]

Re: タイトルなし

> 黒緑速攻と相性が良さそうなマタドールマルークゼに触れなかったのは何故でしょうか。



コメントありがとうございます(^○^)

記事にも書きました通り、

・デッキコンセプト上、黒緑速攻はメタ要素を扱うのがそもそも下手という点
・記事で表した3つのメタ要素中、最低限2つは有さなければ環境では戦えない点

の2つの点からマタドール程度の追加要素では現状の黒緑速攻の立場は変わらないだろうと判断し、記載しておりません。
  1. 2018/06/13(水) 10:05:39 |
  2. URL |
  3. みすみ #-
  4. [ 編集 ]

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