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キントレスキーの墓場

主にDMやアニメの事を書き連ねるブログです。

将太のデッキ




「ダメだ…!デッキビルドコンテストまであと1週間…どれだけ頑張ってもDM界のスティーブジョブズと称されるビルドセンスには到底勝てない…!それにコンセプトも佐治さんが最も得意とする《ドギラゴン剣》!どうやったって勝ち目は無いよ…!せめて親方の言葉の意味が分かれば…!」

「将太君…!」(何か…何か僕にできる事は…!

「あ……! 将太君!見てよこれ!」
「えっ?一体何を……  あ……!  以前投稿したデッキに…………コメントが付いてる…………!?」

「やったじゃない将太君!えーとなになに……『この構築とてもすごいです。カードプールに対する知識が……」
「うん…!やっぱり嬉しいね…!こうやってフォロワーの生の声を…。…あ…!…そうか…そういう事だったのか…!」

「将太君?」

(そうか…!親方に言われた『デッキ構築の意味』…!こんな簡単な事にも気付かないなんて…僕は馬鹿だ…!でも…!)

「行ける…これなら行けるかもしれないよシンコ君!」



「それではこれより…新人デッキビルドコンテスト第3回戦を始めます!構築開始!」

「ふん…関口将太…!何をしてきたか知らんが俺の構築力の前には無駄な事…ここで息の根を止めてやるぜ!」
「見ろよあの構築速度!手元がまるで見えないぞ!」「カード選択にまるで迷いがない!それに恐ろしい精密さだ!」

「いや…おかしい……!あんな手札交換ばかり入れているとトリガー等の枠が押されて【轟轟轟】おろか【ドギラゴン剣】すらまともに受けられないはず……!」
「……いや……あるいは可能かもしれんぞ」
「親方!?そいつは一体……!」
「あれだけ手札交換を入れてもビートダウンを受け切る方法……それは……『マッドネス』だ!」

「マッドネス!?」
「マッドネスって……《バイケン》!?」
「でも……本大会のお題はドギラゴン剣!それが何故……」
「うむ……恐らくやつはこの試合のために……『サイチェンピッピー』の使用に踏み切ったのだ……!」
「サ……サイチェンピッピーだってぇ……!?」


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「うむ……恐らくやつはドギラゴン剣に必要不可欠な手札入れ替えと相性の良いマッドネスからの革命チェンジによる反撃を考えた……高速のビートダウンにも耐え得るまさに理想のムーブメントを創り出したのだろう」
「そうか……!バイケンでなくサイチュンピッピーなら《ガイアール・カイザー》からドギラゴン剣へ革命チェンジできる……!」
「ああ…!1t目からの【肉汁ブランド】にもこれで対応できるって訳だ!」

「だが……それだけではない」
「ええっ!?」
「奴の次元をよく見てみるのだ」
「次元……?何の変哲もない普通のサイキックじゃ……」
「あ…………ああ…………!」
「ま……まさか……!」
「アクアアタック……『ZABUUUNクルーザー』!!」


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「ガイアールカイザーの中段テキスト…これを活かすことでより防御力を高める技術だ…しかしそれをこのコンクール本番で用いるとは…」
「スロット圧縮とカードテキストに理解がある証拠…なんてビルダーなんだ…!」

「そういえば……ガイアールカイザーの2枚目がある!他の次元も防御寄りのハンターが多い…これを見越していたのか!」
「やっぱりあんたが日本一のビルダーだぜーっ!」
「そんなデッキを相手に関口将太はどんなドギラゴン剣を出すつもりなのか……!?」
「しょ……将太君……! …………えっ……!?」
「げぇっ!?」
「あれは!?」

「《アツト》と《ノロンアップ》…!それに…何だぁあのカードは!?あんなの見たことないぞ!!」
「いや……知ってるぞ!あれは関口将太お得意の墓地ソースでも使っていた《ベロリンガM》!登場時に山札から3枚墓地肥やしをする革命チェンジクリーチャーだ!!」
「げぇーっ!墓地ソース基盤だと!?」
「あんなもんが本当に強いドギラゴン剣なのかよ!?」
「しょ…将太君…!!」

(コンクールの場で自分の趣味を全開に押し出してくるとは…血迷ったか坊ンズ…!?俺は好きだが審査員達は普通のプレイヤーなんだぜ…!そいつらに評価してもらわなきゃ万に一つも勝ちの目はねえんだ!)
「お…親方…!」
「……うむ……」
(これでいい…これでいいんだ!もしも僕の考えが正しければ……!)

「そこまで!制限時間終了です!これより審査に移ります!」
「ふん……どうやらあんまりにも希望が無いんでヤケになったみてえだなァ関口将太……今からでもド田舎に戻って地元のデュエ祭りでお山の大将でもするんだな!ギャハハハハ!!」
「…………」
「しょ……将太君……!」

「ではまず……こちらの【マッドネス剣】から……」
「うぉ……!」
「これは……!」
「うむ……これはすごい!!」
「うむ……この短期間で構築したとは思えない素晴らしいリスト!バスターパッケージを集めるための手札交換とそれを防御札へと昇華させるマッドネス!《ゼンメツスクラッパー》等の環境意識も素晴らしい!」

「そして何より王道のメインストリーム!バスターからの【ウララーレティーシャ】だ……!時にビルダーは無理にでも個性を出そうと大きなシナジー無しに《レヴィアターン》や《デクロワゾー》を使いたがるが……結局はこれが一番簡潔で強力!」
「うむ……!デッキパワーをしっかり担保し、その他のビルディング力で勝負できるといった自信と心意気をビンビン感じる……そんな素晴らしい完成度だ!!」

「すげえぞあのデッキは!!ビルディングの見事なお手本を見させてもらったぜ!!」
「まさかこんなデッキが見られるなんて……すげえ……本当に何てすげえ大会になっちまったんだ!!」
(見ていてまるでCSの入賞レシピの解説を聞いているようだった……!勝てるのか……!?僕はこんなデッキに……!)

「それでは次に……関口将太君の審査に移ります!」
「……う……うむ……これは……」
「いやはや…何とも…」
「し…審査員が初手を見ただけで固まっちまった…!」
「大会会場なら素通りされること確実だ!!」
「うわぁぁぁ!今度こそダメだ!将太くーーん!!」
「ではまず……私が回しましょうか」

「か……会長……!?」
「会長自らが……!?」
「うむ…………。…………これは…………!! これは……すごい!!!!」
「なっ……何だってぇ!?」
「会長があの地元の中学生が作ってそうな墓地ソースまがいを!?」
「ど……どれ……私達も……」
「え……ええ……」
「…………これは……!」

「一見墓地ソースに見えるが…しっかりドギラゴン剣にフォーカスの当たった素晴らしいデッキだ!」
「カードにひとつひとつに役割が与えられ…デッキ全体の親和性を感じられる!」
「墓地ソース基盤といった外来コンセプトを扱っておきながら…まるで全盛期赤青バスターを使っているような動かしやすさだ!!」

「しかし何故だ!?どうして《ワルスラ》が殿堂した後の墓地ソースがこんなに回しやすいんだ!?普通は手札が切れるはず……!」
「その秘密は……これです!」
「これは……『リップウォッピー』!?」


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「この赤青バスターと僕のバスター…比べてみてください!」
「ふむ……!?」
「将太のやつ……考えたな」
「親方……!?」
「一体どういうことなんですか!?」

「うーむ……いくら回しても出した次のターンかその次にはリップウォッピーが除去られる……《グレンニャー》や《タイム1ドレミ》に比べてドロー枚数が増えるとは思えん……」
「いえ!除去られるのはいいんです!むしろ……除去られるほうがメインプランが通りやすくなっていいんです!」
「除去られるほうが……いい!?」
「一体どういうことだ!?」

「そうか……そういうことか!」
「小政さん!?何か分かったんですか!?」
「ああ!そうだな……実際に《GWD》を当てられた時を想像してみな!そうすれば分かりやすいと思うぜ!」
「GWD……?」
「うーん……リップウォッピーが出た次のターンにGWD……」

「除去られるほうがいい……。……あ……ああ……!」
「そうか!将太のやつ……!」
「……『2択の押し付け』だ!! 将太はリップウォッピーとバスターの2択を押しつけようとしているんだ!!」
「2択の押し付けだってぇ!?」
「一体どういうことなんだ!?」

「リップウォッピーが登場した次のターン、GWDなどの除去が飛んでくる……そこではリップウォッピーの横にいる革命チェンジで出てきたドギラゴン剣の進化元も巻き込まれやすいだろう……そこで今回将太はベロリンガMに加えて『アクミM』をチェンジ元に添えてるんだ!!」

「ア……アクミMだってぇ……!?」


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「そうか…!リップウォッピーは除去られやすくてもアクミMがいる…リップウォッピーを場に戻すかバスターのチェンジ元を残すか…対戦相手は迫られるんだ!!」
「ええ…!登場時にリップウォッピー効果でドローできるのもあって手札が切れない!」
「ええ!私も帰ったらリップウォッピーをポチります!」

「ぐ……むう……!」
「そんなコンセプトでドギラゴン剣を作るなんて……やるじゃねえか少年ーっ!」
「俺にもそのデッキ回させてくれーっ!!」
「地方の俺にもリップウォッピー分けてくれよーっ!!」
「すごい……すごいよ将太君……!」
「それでは……結果発表に移ります!」

「理論派マッドネス剣が勝つか……奇策墓地ソース基盤剣が勝つか……!」
「勝敗の行方は……どっちだ!?」
「……勝者は…………関口将太君です!!」
「や……やったァ!!」
「やったぜ将太君!!」
「あの坊ンズ……本当にやりやがった!!」

「ちょっと待ったぁ!!納得行かねえな!どうしてその坊ンズのデッキが勝ちで俺の方が負けなんだ!?俺のデッキは環境への意識も高い!メインストリームもそっちより強力だ!負ける道理は無いはずだぜ!」
「ふむ……果たしてそうかな?」
「何……!?」

「実際に君のデッキと彼のデッキで対戦してみるといい……それで君のデッキが関口君のデッキに負けた理由がわかるはずだよ」
「直接対戦……!?上等じゃねえか!デュエマスタート!!……。……へっ!やっぱりだ!相手はこっちのオニカマスを退かせねえし…俺はこの大量の手札交換でゼンメツスクラッパーを引いてカマスを処理すれば…完璧な勝利だ!」
「いや……よく見てるといい」
「何? 一体何が……!?」

「あ……!」
「ああ……!あのマナタップ……!」
「《5000gt》だ! 《クロスファイア》まで付いてる!!」
「そう!このデッキは【5000gt+クロスファイア】という強力なサブストリームを用意してる!!」
「し……しまった……!オニカマスを建てていれば手札交換の量で勝るこちらが先にゼンメツに辿りつくと踏んで油断していた……!」

「そう…!このサブストリームの強さの違い!これが君のデッキと彼のデッキの違いだ…特に環境で多くなるであろうバスターミラーという状況…そして君自身のデッキコンセプトからすれば…決してしてはならないミスだったんだ!」
「く…!俺としたことが…!!」

「君のデッキも確かに素晴らしかった!だがドギラゴン剣のことを考えつつも自分の得意分野を愛し…そして自分の好きなものを思い切り作るという将太くんのデッキ構築の理念の体現と…ほんのわずかな自己理解が勝敗を分けたのだ!」
「ぐ…ぐぅ…!」
(親方の言ったデッキ構築の意味…こういうことだったんだ!)
「うむ…!」

「負けたぜ坊ンズ…俺も帰ったらメルカリでリップウォッピーをポチらせてもらうぜ」
「はい…!僕もあなたのこのデッキ…回させてもらいます!」
「やった…やったね将太君!」
「うん…!これからもっと修行してこの僕の本を…『将太のデッキ』を…たくさんの人に回して貰うんだ!!」



原作めちゃ面白いんで是非読んでね!今ならスキマで全巻無料!!!!

〜〜fin〜〜






⚫︎オマケ



『佐治さんバスター』

4 x エマージェンシー・タイフーン
2 x 勇愛の天秤
4 x 異端流し オニカマス
4 x サイバー・チューン
1 x 単騎連射 マグナム
3 x ゼンメツー・スクラッパー
4 x スーパー・サイチェン・ピッピー
2 x サイチェン・ピッピー
4 x ドンドン吸い込むナウ
4 x “龍装”チュリス
1 x 音精 ラフルル
1 x 勝利のアパッチ・ウララー
2 x 勝利の道標レティーシャ
4 x 蒼き団長 ドギラゴン剣

1 x アクア・カスケード〈ZABUUUN・クルーザー〉/弩級合身!ジェット・カスケード・アタック
1 x エイリアン・ファーザー<1曲いかが?>/魅惑のダンシング・エイリアン
1 x 勝利のプリンプリン/唯我独尊ガイアール・オレドラゴン
1 x 勝利のリュウセイ・カイザー/唯我独尊ガイアール・オレドラゴン
1 x 光器セイント・アヴェ・マリア/豪遊!セイント・シャン・メリー
1 x アクア・アタック〈BAGOOON・パンツァー〉/弩級合身!ジェット・カスケード・アタック
2 x ガイアール・カイザー/激竜王ガイアール・オウドラゴン




『将太バスター』

4 x 戦略のD・Hアツト
4 x 【問2】 ノロン⤴
3 x 異端流し オニカマス
3 x リップ・ウォッピー
1 x プラチナ・ワルスラS
4 x 終末の時計 ザ・クロック
2 x 爆撃男
3 x 第1種 アクミM
3 x 第3種 ベロリンガM
2 x 龍装者 バルチュリス
2 x 百万超邪 クロスファイア
3 x 蒼き団長 ドギラゴン剣
4 x 撃髄医 スパイナー
2 x 暴走龍 5000GT


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  1. 2018/11/17(土) 23:23:18|
  2. DM
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シャコガイルが殿堂しない二つの理由




数日前に「第2回DMPランキング プレイヤーアンケート」が公開された。中には殿堂カードに関するアンケートもあり、TLでは殿堂予想の話題もあがっていた。

《ドギラゴン剣》、《ミラダンテⅫ》、《ラビリピト》と様々な意見が上がる。勿論そこには彼の名も連なっていた。



《水上第九院 シャコガイル》。



強すぎる、面白くない、デュエマらしくない。

《シャコガイル》は登場以来、ありとあらゆるエクストラウィンデッキのフィニッシャーと差し変わり、コントロールのフィニッシャーとしても採用もされるようになった。

半年もすると、世のコンボ・ソリティア・コントロールにおいて彼の採用率は圧倒的なものになる。

《フォーミュラ》《ジエンドオブユニバース》《ヴォルグ》【ララバイLO】といった従来のエクストラウィン群を押し退け、環境のフィニッシュブローは《シャコガイル》一色となった。



やはり《シャコガイル》は強すぎるのか。また、何故面白くないと感じるのだろうか。






◉シャコガイルというカード


《シャコガイル》が多くのエクストラウィンデッキのフィニッシャーと差し変わり、コントロールのフィニッシャーに採用されるほどになったのには勿論その強さに理由がある。




◼︎他エクストラウィンに対する明確な優位性

従来のエクストラウィンは基本的に本来のゲーム感から逸脱したリソースや条件を要求する場合がほとんどで(手札or盾or場10枚、ループやワンショットエンジンによる無尽蔵なリソース)、それほどのリソースやタイムアドバンテージを稼げるエンジンを搭載していると言うことは、《シャコガイル》が条件とする山札切れまでリソースを稼ぎ切ることも出来るということに限りなく近しい。(【ゲイル】、【VV8ギガタック】、【猿ループ】、【白緑メタリカ】など)

その上で《シャコガイル》であれば、『残りの山札が少なくて従来のエクストラウィンカードだったら目標のリソースが稼げなかった』等のシーンにも条件を満たせる。

この点において従来の莫大なリソース量を要するエクストラウィンのものに比べ、《シャコガイル》は明確な優位性を持っているのだ。




◼︎5ドロー3ディス

そもそも大型手札調整のテキストが付いており、エクストラウィンのテキストも後発的な機能が可能なため、「とりあえず出す」が許される点でカードとしてのスペックが高い。

これにより再現できるゲームの幅が広がるといった点は、他のエクストラウィンカードやフィニッシャーのそれとは一線を画している。




◼︎デッキスロットを圧迫しない

《フォーミュラ》が《打つべし》、《ララバイ》等が証明に必要なループパーツを要求するのに比べ、《シャコガイル》は彼ただ一枚でゲームを決めることができる。

このように本来デッキの動きに不要なモノを入れる必要が無い点で、実質的にデッキの強さを向上させているのだ。




◼︎条件を問わない

上記にもあるように従来のエクストラウィンは莫大なリソースや何かしらの条件を問うものがほとんどで、これを満たすための特殊なエンジンやループ機構を持っていない限り、それらのエクストラウィンを再現するのは簡単では無い。

しかし《シャコガイル》は違う。彼は結果こそ問えど手段を問わない。

本来のゲーム感から逸脱したリソース量を稼がずとも、普通のデッキの普通のカードだけで条件を満たすことができるのだ。

だからこそ【アナカラーシャコガイル】は産まれ、【ランデス】や【トリーヴァ】といったコントロールのエクストラウィン・フィニッシャーとしても定着した。

デッキを寄せる必要も無く、単体で機能し、条件を問わない。

その柔軟性はエクストラウィンデッキの枠を飛び越えたのだ。コントロールデッキの視点から見た彼は、現代の《ボルメテウス・ホワイトドラゴン》もしくは《「祝」の頂 ウェディング》と言ったところだろうか。






◉シャコガイルは強すぎるのか


このように《シャコガイル》は、従来のエクストラウィンカードに比べ明確な優位性を持っているだけでなく、手段を問わないその柔軟性から、ありとあらゆるデッキで採用率を高めた。

やはり彼は強すぎたのだろうか。




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勿論そんなことはない。断言できる。


何故なら《シャコガイル》を使うデッキがゲームに勝つ時、その勝因のほとんどは《シャコガイル》には無いからだ。

《シャコガイル》を使うことでそのデッキの勝率は伸びるのは間違いない。しかし「ここが○○でなく《シャコガイル》だったからこそ勝った」といった試合の数は全体の総数に対してわずかなモノだ。

別に《ジエンドオブユニバース》でも勝っただろう。ここは『VANナイン』でも変わらなかった。

しかしそれでも《シャコガイル》を使わない意味は無いのだ。実試合における残りの何パーセントかのゲームで、彼は本来負けていたゲームを勝ちにしてくれる。現プールで彼が最も優秀だからだ。



そう。ゲームの勝敗を決定付けるのはシャコガイルではない。

彼が強いからデッキを組むのではなく、強いギミックのデッキを組む先で彼が待っているのだ。


もしそうでなければ《シャコガイル》を使うデッキが同時期にこんなに沢山存在するはずがない。

本当にデッキの強さがエクストラウィンカードのフィニッシュ力に起因しているのであれば、ある環境におけるそのフィニッシュプランのデッキは同時に3つも4つも存在し得ない。時間が経てば必ずどのデッキがより上手くそれを使いこなせるかが明白になるからだ。

しかし《シャコガイル》を使う【ゴクガサイクル】がいて【ゲイルヴェスパー】がいて【ビッグマナ】がいて、そしてそんな環境でも【VV8ギガタック】や【轟破天】や【ランデス】等のデッキを使おうとするプレイヤーがいる。しかもそのどれもが全く違う足回りを使用して、だ。

この現状のプレイヤー達の意識こそがデッキの強さの根幹が《シャコガイル》にはなく、その過程にあるという何よりの証拠である。


これら根拠が《シャコガイル》が強すぎるカードで無いことを証明してくれている。






◉シャコガイルが殿堂しない理由


シャコガイルは強すぎない。これがこのカードが規制されるに足り得ない最大の根拠だ。さらにこの《シャコガイル》単体が強すぎないといった点に関連して、《シャコガイル》が持つカード性質上彼が殿堂し得ないもう一つの根拠がある。

『規制止む無しとされるほど強すぎる《シャコガイル》のデッキが現れた時、《シャコガイル》に規制を掛けても意味が無い場合が多い。』から、といったものだ。

それはフィニッシュタイミングのみでしか出力を発揮しないこのカードの性質上の問題。

《シャコガイル》単体が強すぎない以上、彼を使うデッキが勝ちすぎる時、その原因は必ず《シャコガイル》を出すまでの過程の方にある。必ずだ。

現環境のゲームスピードにおいて《シャコガイル》を使うようなコンボチックもしくはロングランなデッキが本当に強すぎる場合、《シャコガイル》を規制したところで結果が変わらないのは想像に容易い。

【白緑メタリカ】や【猿ループ】を思い出してもらえると分かりやすい。彼らのように本当に強すぎるエンジンを持つデッキは、もし《シャコガイル》が規制されようとも、その暴力的なリソースエンジンで他のエクストラウィンすらも容易く使いこなすだろう。

勿論勝率そのものは下がるだろうが、デッキの強さの本質が消えない限りそのデッキは強すぎるままだ。



《シャコガイル》単体は強すぎないし、だからこそ彼を使うデッキが強すぎる場合、彼に規制を掛けても止まらない。

意味が無いのだ。

そしてこれは当然開発側も理解しているだろう。だから《シャコガイル》は殿堂しない。






◉ヘイト総量


ここまで書いていて気になった。逆に《シャコガイル》の規制を予想しているプレイヤーは、どのような考えを持ってそう予想しているのか。

殿堂しそうだなと思うどころか、私には殿堂するための理由に全く見当が付かないほどだ。

しかしプレイヤーからは常に規制の声が絶えない。


「つまらない」。「デュエマじゃない」。


その原因が《シャコガイル》へ向かうヘイト総量にあるのではないかと私は考える。


前述した通り、《シャコガイル》はカードとして強すぎることは無いが、従来のエクストラウィンやコントロールフィニッシャーに対して明確な優位性を持っているがためにその採用率は高く、結果的に現環境において彼に殺される機会は非常に多い。

本来それらのデッキは、もし《シャコガイル》が無くとも他の手段を用いて相手がつまらないと感じるレベルの封殺をすることのできるリソースエンジンとデッキ性質を持っており、且つそのように相手を封殺する目的で握られたデッキである。現プールでは《シャコガイル》がそれに最も相応しいというだけに過ぎない。


《シャコガイル》でなく『ヴォルグ連打』で殺されるなら面白いのか?《ジエンドオブユニバース》でエクストラウィンされるならデュエマなのか?そんなことはないだろう。

彼らはその都度つまらないと感じているはずだ。デュエマじゃないと叫ぶはずだ。


《ヴォルグ》や《ジエンドオブユニバース》に殺される機会が、今は《シャコガイル》ただ一人に集約されているだけである。同様にエクストラウィンに対するヘイト値やストレスも一身に《シャコガイル》が受けているのだ。

だからこそ《シャコガイル》=つまらない・デュエマじゃないというイメージが先行しているのではないかと踏んでいる。しかし実際にはそう感じる機会の総数はほとんど変わってはいない。

《シャコガイル》がそのように捉えられているのはあくまでそれらコンボチック・ロングランなデッキでの《シャコガイル》の支配率が高いからで、《シャコガイル》が強すぎたり、他の封殺系フィニッシャーに比べ特別つまらないからではないはずなのだ。






◉シャコガイルがつくる未来


私は《シャコガイル》というカードが結構好きだ。エクストラウィン系統の中では《ヴォルグ》の次に好きかもしれない。

何かとヘイトの向かいやすいカードではあるが、実は彼が貢献したのはデッキの向上だけではない。


【ゴクガサイクル】。


かのデッキは他のエクストラウィンデッキにも劣らないリソースエンジンを有しているが、変換先の問題から《ジエンドオブユニバース》や《フォーミュラ》には恵まれなかった。

しかし《シャコガイル》はそこにいた。彼がいたからこそ、初めてエクストラウィンが出来たのだ。《シャコガイル》の条件の緩さが新たなデッキタイプを産み落とした瞬間だった。



彼は他のエクストラウィン群を全て過去のものとするほどの強さを持ったが、その強さはなにも完全に一辺倒なものではない。【ゴクガサイクル】を産み落としたように、多様性を許容する一面もある。

この記事で書いたようにまだ彼が殿堂しないのであれば、この先まだまだ想像もつかない【ゴクガサイクル】のようなエクストラウィン群と出会える日が来るのだろう。






◉おわりに


しかし本記事の考察をする上で《シャコガイル》と真剣に向き合った私は、彼を殿堂カードたらしめる出力を発揮させてしまうレシピを作り上げてしまったのだ。

ここまで殿堂しない殿堂しないと読ませた上で大変に申し訳ないのだが、このレシピを開発側が試した時、その時こそが彼の殿堂入りが決まる瞬間となってしまうだろう。本当にすまない。



『シャコ貝のオリーブオイルがけ』

シャコ貝…3つ
トマト…1個
オリーブオイル…大さじ2
塩…少々
しょうゆ…小さじ1
メメント守神宮…4枚



しょうゆ小さじ1だけだとどうしても【轟轟轟】が止まらないので《メメント》入れました。


  1. 2018/11/14(水) 19:02:40|
  2. DM
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