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キントレスキーの墓場

主にDMやアニメの事を書き連ねるブログです。

採用理由の説明もできないの?




TCGにおける論理的思考とは、非常に価値のあるものだ。


ゲーム中の事象や経験を理論化・言語化を通して自身の中に落とし込むことで、その時々にベターな選択を出来るだけでなく、プレイヤーとしての力量も高めていくことができる。

しかし同時に私はこのTCGにおける論理的思考ほど、ゲームをするにおいて危険なモノは他に無いとも考えている。


今回の記事はこれの取り扱いを誤ったことで足踏みを繰り返した私の経験則から書いたものだが、私と似て理屈めいたプレイヤー達が同じ轍を踏んでしまわないよう今一度これらについて考え直す機会になれるなら幸いだ。






◼︎危険性


では、TCGにおける論理的思考には一体どのような危険性が潜んでいるのか。私が危険視しているのは主に以下の三つだ。


⚫︎理論が間違っていた場合のリスク
⚫︎理論は間違っていないがそれ以上の解が存在する場合のリスク
⚫︎柔軟性の消失





⚫︎理論が間違っていた場合のリスク


そもそも自身の構築した理論が間違っている場合がある。


例えば施行数の少なさから起こる失敗。本来は間違っている理論なのに、デッキを回す回数が足りなくてそれに気付かないままトーナメントに臨むなどのケースだ。

持論を過信する余り「この対面はこれをこうぶつければ勝てる」といったような机上論に頼って、本来必要であるはずだった対面練習や事象の確認を怠るもしくはその回数が足りないなどの場合にはこのような状況に陥りやすい。

こういった例のように論理的思考に頼りすぎると、いざ持ち込む理論が間違っていた際には大きな痛手を負ったり遠回りをしてしまう恐れがある。


TCGにおける理論は基本的に経験則に基づくものだが、しかし対戦相手もまたメタゲームという名の知の集合体である。

だから正しい理論というものは、日々変化して然るべきなのだ。

TCGにおける理論は一方通行ではない。メタゲームは驚くほど流動的だし、採用カードも週を跨ぐ毎に目まぐるしく変わる。先月通用した理論が今週は全く通じないなんてことは日常茶飯事だ。

理論は常に疑い、それが未だに正しいものかを逐一確認しなければならない。適切でないセオリーを使用することは、そのトーナメントでの死を意味する。





⚫︎理論は間違っていないがそれ以上の解が存在する場合のリスク


理論そのものが間違っている状況とは別に、TCGにおける理論は「間違いでは無いが正解ではない」といった状態に位置することがある。


自身の理論よりも優れた理論を他のプレイヤーが持ち出した時である。


自身の理論に沿ってデッキ構築を行い、施行数もしっかり取り、その理論が確定的に間違いでは無いことを裏付けた状態でトーナメントに臨んだとしよう。

しかし他のプレイヤーがより優れた理論を用いてトーナメントに臨んでいた場合、間違っていなかったはずの持論が結果的には間違い側に位置してしまうといった状況に陥る。

そう。度重なる施行の末、持論が間違っていないという裏付けが取れたとしても、この世には常にそれよりも正しい理論が存在する可能性があることを我々は認知しなければならない。

このように持論が間違いでない裏付けが取れたからといって、それらを完全に信じ切ってトーナメントに臨むのも実は危険な行為である恐れがある。

だからこそ持論が間違いでないと確信した後も、他人の理論を蔑ろにしてはいけない。より正解に近い理論を探しに行く努力が必要なのだ。


常に持論が100パーセントでないことを念頭に置き、他人の理論に耳を傾ける。そして絶えず新たなアプローチを模索する。

そういった努力が必ず私たちの力量の後押しになってくれるはずだ。





⚫︎柔軟性の消失


しかし難しいことに、ロジカルなプレイヤーほど他人の理論を受け入れることが苦手な生命体は存在しない。

私がその典型的な一例であるように、一度確信を持った持論は中々にその形を変えようとしない。こうやって文字にしている今でもそうだ。


では何故TCGにおいて論理的思考を持つプレイヤーがそのように他人の理論を受け入れられない、つまりは柔軟性を持ちにくいのか。


それはTCGというゲームの形態そのものが、理論の間違いを正しにくい性質を持つからだ。

理論に対しそれを正しいもの・間違ったものと裏付けるには結果が必要になる。しかし乱数や施行数の絡むカードゲームにおいて、結果とは常に曖昧なものだ。

例えばこれが科学の実験だったり将棋の戦法だったりの話になると、理論に対しハッキリとした結果が得られ易い。よってその結果の明白さから、その理論が正しいか間違いであるかが確定的になり易いのだ。

しかしTCGではこの結果の部分が乱数と施行数の問題によりブレやすく、非常に曖昧になる。


たとえ自身の理論が間違っていても練習中たまたま良い方向のものしか観測できずに正しいと勘違いしてしまうこともある。

また自身の理論と乖離した構築がトーナメントで結果を残した際などでも、それが1回や2回であれば「いや流石にこれは無いだろ。多分運が良かったんだろうな。」で片付けてしまう気にもなってしまうくらいには数回戦のトーナメントというものは材料として弱い。

間違いを間違いだと、正解を正解だと確信できる機会がどうしても限られるのだ。

しかも論理的思考を持つプレイヤーは論理的であるからこそ、それらの結果に対して自身の理論という先入観を持ちやすい。

だから自身の間違いにも気付きにくいし、優れた理論が登場した際も持論より優れていると認めることが中々できない。


このように論理的思考に偏りすぎると、どうしても他の理論を受け入れる柔軟性が消失しやすいのだ。

そんな私たちは、いざ持論よりも優れた理論を目にした際には自身の間違いを素直に認め、新論を許容する強かさを持つ必要があるだろう。

意固地になった瞬間、そのプレイヤーは必ず停滞する。必ずだ。






◼︎まとめ


以上のことから、TCGにおける論理的思考が必ずしも良い方に倒れるとは限らないことを知ってもらえただろうか。基本的には良い方向に導いてくれるものだが、扱いを間違えるとプレイヤーを殺す猛毒にもなり得る。


といった風に、ここまでつらつら書いて結局何が言いたいかというと「TCGにおける論理的思考は扱いに気を付けよう」ってことだ。

特に常に理論化・言語化を癖にしていたり、場合によっては他人にまで採用理由の言語化を強要するような人物は、それだけロジカルに重きを置いている証拠でもあるので論理的思考の負の面に触れやすい。

そのような理屈固めするくらいならカードに触れる機会を少しでも増やした方が絶対身になると、十数年間TCGをやってきて私も最近やっと気付いた。本当に恥ずかしいことだ。質の伴った施行数は理論と違って中々に裏切らない。


昔の私がそうであったように、理論化や言語化が出来るからといってTCGが上手いと錯覚するのは愚かだ。人よりカードやデッキの強弱を感じるアンテナが鈍いかもしれないし、自らの思考に縛られ気付かぬ内に悪手を選択しているかもしれない。

言語化が不得手だからといって下手なプレイヤーだと断定できる訳がない。人よりカードやデッキの強弱を感じるアンテナが優れているかもしれないし、論理的思考に染まっていないということはそれだけ柔軟性に富んでいる証拠でもある。

私たちは母国語技能で対戦している訳ではなく、カードゲームで対戦をしているのだ。






◼︎おわりに


それでも、言葉ではわかっていても、どうしても。ロジカルが頭から離れない。感覚的なアプローチに頼ったゲーム感なんて蕁麻疹が出る。

わかる。

しょうがない。だって俺も貴方も今までそうしてカードゲームに取り組んで来たから。

そんな貴方にとっておきの秘策を授けよう。



その秘策とは、





デッキを彼女だと思うことである。



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柄にもなく真面目な記事を書いたから、疲れが出たのかと心配した人もいるかもしれないが至って真剣だ。


デッキは彼女、デッキは女の子なんだ。

だから極端に理屈ぼったい男は嫌われる。

よく男は理屈、女は感情で動くと言うように、理屈が通じない時に持論を通そうとするのは不毛だ。そんな時こそ背後から無言で抱きしめるような、情熱的なアプローチが必要なのだ。

理屈が通じない時こそ心で動く。そうすることで事態が好転しやすいのは女性もデッキも同じである。

ほら、推しのスリーブを付けでもしてみろ。もはやデッキ構築とは、男女交際以外の何ものでもないと確信するだろう。



デッキ「違う、違うの!貴方はいつもそうやって理屈ばかり!なんで私が回らないのかまだわからないの?私が欲しいのはそんなカードじゃない!私は…んっ…(ここで唇を塞ぐ。二人の幸せなキスを見守りながらこの記事も終わり。





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  1. 2018/12/06(木) 22:33:00|
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将太のデッキ




「ダメだ…!デッキビルドコンテストまであと1週間…どれだけ頑張ってもDM界のスティーブジョブズと称されるビルドセンスには到底勝てない…!それにコンセプトも佐治さんが最も得意とする《ドギラゴン剣》!どうやったって勝ち目は無いよ…!せめて親方の言葉の意味が分かれば…!」

「将太君…!」(何か…何か僕にできる事は…!

「あ……! 将太君!見てよこれ!」
「えっ?一体何を……  あ……!  以前投稿したデッキに…………コメントが付いてる…………!?」

「やったじゃない将太君!えーとなになに……『この構築とてもすごいです。カードプールに対する知識が……」
「うん…!やっぱり嬉しいね…!こうやってフォロワーの生の声を…。…あ…!…そうか…そういう事だったのか…!」

「将太君?」

(そうか…!親方に言われた『デッキ構築の意味』…!こんな簡単な事にも気付かないなんて…僕は馬鹿だ…!でも…!)

「行ける…これなら行けるかもしれないよシンコ君!」



「それではこれより…新人デッキビルドコンテスト第3回戦を始めます!構築開始!」

「ふん…関口将太…!何をしてきたか知らんが俺の構築力の前には無駄な事…ここで息の根を止めてやるぜ!」
「見ろよあの構築速度!手元がまるで見えないぞ!」「カード選択にまるで迷いがない!それに恐ろしい精密さだ!」

「いや…おかしい……!あんな手札交換ばかり入れているとトリガー等の枠が押されて【轟轟轟】おろか【ドギラゴン剣】すらまともに受けられないはず……!」
「……いや……あるいは可能かもしれんぞ」
「親方!?そいつは一体……!」
「あれだけ手札交換を入れてもビートダウンを受け切る方法……それは……『マッドネス』だ!」

「マッドネス!?」
「マッドネスって……《バイケン》!?」
「でも……本大会のお題はドギラゴン剣!それが何故……」
「うむ……恐らくやつはこの試合のために……『サイチェンピッピー』の使用に踏み切ったのだ……!」
「サ……サイチェンピッピーだってぇ……!?」


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「うむ……恐らくやつはドギラゴン剣に必要不可欠な手札入れ替えと相性の良いマッドネスからの革命チェンジによる反撃を考えた……高速のビートダウンにも耐え得るまさに理想のムーブメントを創り出したのだろう」
「そうか……!バイケンでなくサイチュンピッピーなら《ガイアール・カイザー》からドギラゴン剣へ革命チェンジできる……!」
「ああ…!1t目からの【肉汁ブランド】にもこれで対応できるって訳だ!」

「だが……それだけではない」
「ええっ!?」
「奴の次元をよく見てみるのだ」
「次元……?何の変哲もない普通のサイキックじゃ……」
「あ…………ああ…………!」
「ま……まさか……!」
「アクアアタック……『ZABUUUNクルーザー』!!」


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「ガイアールカイザーの中段テキスト…これを活かすことでより防御力を高める技術だ…しかしそれをこのコンクール本番で用いるとは…」
「スロット圧縮とカードテキストに理解がある証拠…なんてビルダーなんだ…!」

「そういえば……ガイアールカイザーの2枚目がある!他の次元も防御寄りのハンターが多い…これを見越していたのか!」
「やっぱりあんたが日本一のビルダーだぜーっ!」
「そんなデッキを相手に関口将太はどんなドギラゴン剣を出すつもりなのか……!?」
「しょ……将太君……! …………えっ……!?」
「げぇっ!?」
「あれは!?」

「《アツト》と《ノロンアップ》…!それに…何だぁあのカードは!?あんなの見たことないぞ!!」
「いや……知ってるぞ!あれは関口将太お得意の墓地ソースでも使っていた《ベロリンガM》!登場時に山札から3枚墓地肥やしをする革命チェンジクリーチャーだ!!」
「げぇーっ!墓地ソース基盤だと!?」
「あんなもんが本当に強いドギラゴン剣なのかよ!?」
「しょ…将太君…!!」

(コンクールの場で自分の趣味を全開に押し出してくるとは…血迷ったか坊ンズ…!?俺は好きだが審査員達は普通のプレイヤーなんだぜ…!そいつらに評価してもらわなきゃ万に一つも勝ちの目はねえんだ!)
「お…親方…!」
「……うむ……」
(これでいい…これでいいんだ!もしも僕の考えが正しければ……!)

「そこまで!制限時間終了です!これより審査に移ります!」
「ふん……どうやらあんまりにも希望が無いんでヤケになったみてえだなァ関口将太……今からでもド田舎に戻って地元のデュエ祭りでお山の大将でもするんだな!ギャハハハハ!!」
「…………」
「しょ……将太君……!」

「ではまず……こちらの【マッドネス剣】から……」
「うぉ……!」
「これは……!」
「うむ……これはすごい!!」
「うむ……この短期間で構築したとは思えない素晴らしいリスト!バスターパッケージを集めるための手札交換とそれを防御札へと昇華させるマッドネス!《ゼンメツスクラッパー》等の環境意識も素晴らしい!」

「そして何より王道のメインストリーム!バスターからの【ウララーレティーシャ】だ……!時にビルダーは無理にでも個性を出そうと大きなシナジー無しに《レヴィアターン》や《デクロワゾー》を使いたがるが……結局はこれが一番簡潔で強力!」
「うむ……!デッキパワーをしっかり担保し、その他のビルディング力で勝負できるといった自信と心意気をビンビン感じる……そんな素晴らしい完成度だ!!」

「すげえぞあのデッキは!!ビルディングの見事なお手本を見させてもらったぜ!!」
「まさかこんなデッキが見られるなんて……すげえ……本当に何てすげえ大会になっちまったんだ!!」
(見ていてまるでCSの入賞レシピの解説を聞いているようだった……!勝てるのか……!?僕はこんなデッキに……!)

「それでは次に……関口将太君の審査に移ります!」
「……う……うむ……これは……」
「いやはや…何とも…」
「し…審査員が初手を見ただけで固まっちまった…!」
「大会会場なら素通りされること確実だ!!」
「うわぁぁぁ!今度こそダメだ!将太くーーん!!」
「ではまず……私が回しましょうか」

「か……会長……!?」
「会長自らが……!?」
「うむ…………。…………これは…………!! これは……すごい!!!!」
「なっ……何だってぇ!?」
「会長があの地元の中学生が作ってそうな墓地ソースまがいを!?」
「ど……どれ……私達も……」
「え……ええ……」
「…………これは……!」

「一見墓地ソースに見えるが…しっかりドギラゴン剣にフォーカスの当たった素晴らしいデッキだ!」
「カードにひとつひとつに役割が与えられ…デッキ全体の親和性を感じられる!」
「墓地ソース基盤といった外来コンセプトを扱っておきながら…まるで全盛期赤青バスターを使っているような動かしやすさだ!!」

「しかし何故だ!?どうして《ワルスラ》が殿堂した後の墓地ソースがこんなに回しやすいんだ!?普通は手札が切れるはず……!」
「その秘密は……これです!」
「これは……『リップウォッピー』!?」


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「この赤青バスターと僕のバスター…比べてみてください!」
「ふむ……!?」
「将太のやつ……考えたな」
「親方……!?」
「一体どういうことなんですか!?」

「うーむ……いくら回しても出した次のターンかその次にはリップウォッピーが除去られる……《グレンニャー》や《タイム1ドレミ》に比べてドロー枚数が増えるとは思えん……」
「いえ!除去られるのはいいんです!むしろ……除去られるほうがメインプランが通りやすくなっていいんです!」
「除去られるほうが……いい!?」
「一体どういうことだ!?」

「そうか……そういうことか!」
「小政さん!?何か分かったんですか!?」
「ああ!そうだな……実際に《GWD》を当てられた時を想像してみな!そうすれば分かりやすいと思うぜ!」
「GWD……?」
「うーん……リップウォッピーが出た次のターンにGWD……」

「除去られるほうがいい……。……あ……ああ……!」
「そうか!将太のやつ……!」
「……『2択の押し付け』だ!! 将太はリップウォッピーとバスターの2択を押しつけようとしているんだ!!」
「2択の押し付けだってぇ!?」
「一体どういうことなんだ!?」

「リップウォッピーが登場した次のターン、GWDなどの除去が飛んでくる……そこではリップウォッピーの横にいる革命チェンジで出てきたドギラゴン剣の進化元も巻き込まれやすいだろう……そこで今回将太はベロリンガMに加えて『アクミM』をチェンジ元に添えてるんだ!!」

「ア……アクミMだってぇ……!?」


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「そうか…!リップウォッピーは除去られやすくてもアクミMがいる…リップウォッピーを場に戻すかバスターのチェンジ元を残すか…対戦相手は迫られるんだ!!」
「ええ…!登場時にリップウォッピー効果でドローできるのもあって手札が切れない!」
「ええ!私も帰ったらリップウォッピーをポチります!」

「ぐ……むう……!」
「そんなコンセプトでドギラゴン剣を作るなんて……やるじゃねえか少年ーっ!」
「俺にもそのデッキ回させてくれーっ!!」
「地方の俺にもリップウォッピー分けてくれよーっ!!」
「すごい……すごいよ将太君……!」
「それでは……結果発表に移ります!」

「理論派マッドネス剣が勝つか……奇策墓地ソース基盤剣が勝つか……!」
「勝敗の行方は……どっちだ!?」
「……勝者は…………関口将太君です!!」
「や……やったァ!!」
「やったぜ将太君!!」
「あの坊ンズ……本当にやりやがった!!」

「ちょっと待ったぁ!!納得行かねえな!どうしてその坊ンズのデッキが勝ちで俺の方が負けなんだ!?俺のデッキは環境への意識も高い!メインストリームもそっちより強力だ!負ける道理は無いはずだぜ!」
「ふむ……果たしてそうかな?」
「何……!?」

「実際に君のデッキと彼のデッキで対戦してみるといい……それで君のデッキが関口君のデッキに負けた理由がわかるはずだよ」
「直接対戦……!?上等じゃねえか!デュエマスタート!!……。……へっ!やっぱりだ!相手はこっちのオニカマスを退かせねえし…俺はこの大量の手札交換でゼンメツスクラッパーを引いてカマスを処理すれば…完璧な勝利だ!」
「いや……よく見てるといい」
「何? 一体何が……!?」

「あ……!」
「ああ……!あのマナタップ……!」
「《5000gt》だ! 《クロスファイア》まで付いてる!!」
「そう!このデッキは【5000gt+クロスファイア】という強力なサブストリームを用意してる!!」
「し……しまった……!オニカマスを建てていれば手札交換の量で勝るこちらが先にゼンメツに辿りつくと踏んで油断していた……!」

「そう…!このサブストリームの強さの違い!これが君のデッキと彼のデッキの違いだ…特に環境で多くなるであろうバスターミラーという状況…そして君自身のデッキコンセプトからすれば…決してしてはならないミスだったんだ!」
「く…!俺としたことが…!!」

「君のデッキも確かに素晴らしかった!だがドギラゴン剣のことを考えつつも自分の得意分野を愛し…そして自分の好きなものを思い切り作るという将太くんのデッキ構築の理念の体現と…ほんのわずかな自己理解が勝敗を分けたのだ!」
「ぐ…ぐぅ…!」
(親方の言ったデッキ構築の意味…こういうことだったんだ!)
「うむ…!」

「負けたぜ坊ンズ…俺も帰ったらメルカリでリップウォッピーをポチらせてもらうぜ」
「はい…!僕もあなたのこのデッキ…回させてもらいます!」
「やった…やったね将太君!」
「うん…!これからもっと修行してこの僕の本を…『将太のデッキ』を…たくさんの人に回して貰うんだ!!」



原作めちゃ面白いんで是非読んでね!今ならスキマで全巻無料!!!!

〜〜fin〜〜






⚫︎オマケ



『佐治さんバスター』

4 x エマージェンシー・タイフーン
2 x 勇愛の天秤
4 x 異端流し オニカマス
4 x サイバー・チューン
1 x 単騎連射 マグナム
3 x ゼンメツー・スクラッパー
4 x スーパー・サイチェン・ピッピー
2 x サイチェン・ピッピー
4 x ドンドン吸い込むナウ
4 x “龍装”チュリス
1 x 音精 ラフルル
1 x 勝利のアパッチ・ウララー
2 x 勝利の道標レティーシャ
4 x 蒼き団長 ドギラゴン剣

1 x アクア・カスケード〈ZABUUUN・クルーザー〉/弩級合身!ジェット・カスケード・アタック
1 x エイリアン・ファーザー<1曲いかが?>/魅惑のダンシング・エイリアン
1 x 勝利のプリンプリン/唯我独尊ガイアール・オレドラゴン
1 x 勝利のリュウセイ・カイザー/唯我独尊ガイアール・オレドラゴン
1 x 光器セイント・アヴェ・マリア/豪遊!セイント・シャン・メリー
1 x アクア・アタック〈BAGOOON・パンツァー〉/弩級合身!ジェット・カスケード・アタック
2 x ガイアール・カイザー/激竜王ガイアール・オウドラゴン




『将太バスター』

4 x 戦略のD・Hアツト
4 x 【問2】 ノロン⤴
3 x 異端流し オニカマス
3 x リップ・ウォッピー
1 x プラチナ・ワルスラS
4 x 終末の時計 ザ・クロック
2 x 爆撃男
3 x 第1種 アクミM
3 x 第3種 ベロリンガM
2 x 龍装者 バルチュリス
2 x 百万超邪 クロスファイア
3 x 蒼き団長 ドギラゴン剣
4 x 撃髄医 スパイナー
2 x 暴走龍 5000GT


  1. 2018/11/17(土) 23:23:18|
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シャコガイルが殿堂しない二つの理由




数日前に「第2回DMPランキング プレイヤーアンケート」が公開された。中には殿堂カードに関するアンケートもあり、TLでは殿堂予想の話題もあがっていた。

《ドギラゴン剣》、《ミラダンテⅫ》、《ラビリピト》と様々な意見が上がる。勿論そこには彼の名も連なっていた。



《水上第九院 シャコガイル》。



強すぎる、面白くない、デュエマらしくない。

《シャコガイル》は登場以来、ありとあらゆるエクストラウィンデッキのフィニッシャーと差し変わり、コントロールのフィニッシャーとしても採用もされるようになった。

半年もすると、世のコンボ・ソリティア・コントロールにおいて彼の採用率は圧倒的なものになる。

《フォーミュラ》《ジエンドオブユニバース》《ヴォルグ》【ララバイLO】といった従来のエクストラウィン群を押し退け、環境のフィニッシュブローは《シャコガイル》一色となった。



やはり《シャコガイル》は強すぎるのか。また、何故面白くないと感じるのだろうか。






◉シャコガイルというカード


《シャコガイル》が多くのエクストラウィンデッキのフィニッシャーと差し変わり、コントロールのフィニッシャーに採用されるほどになったのには勿論その強さに理由がある。




◼︎他エクストラウィンに対する明確な優位性

従来のエクストラウィンは基本的に本来のゲーム感から逸脱したリソースや条件を要求する場合がほとんどで(手札or盾or場10枚、ループやワンショットエンジンによる無尽蔵なリソース)、それほどのリソースやタイムアドバンテージを稼げるエンジンを搭載していると言うことは、《シャコガイル》が条件とする山札切れまでリソースを稼ぎ切ることも出来るということに限りなく近しい。(【ゲイル】、【VV8ギガタック】、【猿ループ】、【白緑メタリカ】など)

その上で《シャコガイル》であれば、『残りの山札が少なくて従来のエクストラウィンカードだったら目標のリソースが稼げなかった』等のシーンにも条件を満たせる。

この点において従来の莫大なリソース量を要するエクストラウィンのものに比べ、《シャコガイル》は明確な優位性を持っているのだ。




◼︎5ドロー3ディス

そもそも大型手札調整のテキストが付いており、エクストラウィンのテキストも後発的な機能が可能なため、「とりあえず出す」が許される点でカードとしてのスペックが高い。

これにより再現できるゲームの幅が広がるといった点は、他のエクストラウィンカードやフィニッシャーのそれとは一線を画している。




◼︎デッキスロットを圧迫しない

《フォーミュラ》が《打つべし》、《ララバイ》等が証明に必要なループパーツを要求するのに比べ、《シャコガイル》は彼ただ一枚でゲームを決めることができる。

このように本来デッキの動きに不要なモノを入れる必要が無い点で、実質的にデッキの強さを向上させているのだ。




◼︎条件を問わない

上記にもあるように従来のエクストラウィンは莫大なリソースや何かしらの条件を問うものがほとんどで、これを満たすための特殊なエンジンやループ機構を持っていない限り、それらのエクストラウィンを再現するのは簡単では無い。

しかし《シャコガイル》は違う。彼は結果こそ問えど手段を問わない。

本来のゲーム感から逸脱したリソース量を稼がずとも、普通のデッキの普通のカードだけで条件を満たすことができるのだ。

だからこそ【アナカラーシャコガイル】は産まれ、【ランデス】や【トリーヴァ】といったコントロールのエクストラウィン・フィニッシャーとしても定着した。

デッキを寄せる必要も無く、単体で機能し、条件を問わない。

その柔軟性はエクストラウィンデッキの枠を飛び越えたのだ。コントロールデッキの視点から見た彼は、現代の《ボルメテウス・ホワイトドラゴン》もしくは《「祝」の頂 ウェディング》と言ったところだろうか。






◉シャコガイルは強すぎるのか


このように《シャコガイル》は、従来のエクストラウィンカードに比べ明確な優位性を持っているだけでなく、手段を問わないその柔軟性から、ありとあらゆるデッキで採用率を高めた。

やはり彼は強すぎたのだろうか。




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勿論そんなことはない。断言できる。


何故なら《シャコガイル》を使うデッキがゲームに勝つ時、その勝因のほとんどは《シャコガイル》には無いからだ。

《シャコガイル》を使うことでそのデッキの勝率は伸びるのは間違いない。しかし「ここが○○でなく《シャコガイル》だったからこそ勝った」といった試合の数は全体の総数に対してわずかなモノだ。

別に《ジエンドオブユニバース》でも勝っただろう。ここは『VANナイン』でも変わらなかった。

しかしそれでも《シャコガイル》を使わない意味は無いのだ。実試合における残りの何パーセントかのゲームで、彼は本来負けていたゲームを勝ちにしてくれる。現プールで彼が最も優秀だからだ。



そう。ゲームの勝敗を決定付けるのはシャコガイルではない。

彼が強いからデッキを組むのではなく、強いギミックのデッキを組む先で彼が待っているのだ。


もしそうでなければ《シャコガイル》を使うデッキが同時期にこんなに沢山存在するはずがない。

本当にデッキの強さがエクストラウィンカードのフィニッシュ力に起因しているのであれば、ある環境におけるそのフィニッシュプランのデッキは同時に3つも4つも存在し得ない。時間が経てば必ずどのデッキがより上手くそれを使いこなせるかが明白になるからだ。

しかし《シャコガイル》を使う【ゴクガサイクル】がいて【ゲイルヴェスパー】がいて【ビッグマナ】がいて、そしてそんな環境でも【VV8ギガタック】や【轟破天】や【ランデス】等のデッキを使おうとするプレイヤーがいる。しかもそのどれもが全く違う足回りを使用して、だ。

この現状のプレイヤー達の意識こそがデッキの強さの根幹が《シャコガイル》にはなく、その過程にあるという何よりの証拠である。


これら根拠が《シャコガイル》が強すぎるカードで無いことを証明してくれている。






◉シャコガイルが殿堂しない理由


シャコガイルは強すぎない。これがこのカードが規制されるに足り得ない最大の根拠だ。さらにこの《シャコガイル》単体が強すぎないといった点に関連して、《シャコガイル》が持つカード性質上彼が殿堂し得ないもう一つの根拠がある。

『規制止む無しとされるほど強すぎる《シャコガイル》のデッキが現れた時、《シャコガイル》に規制を掛けても意味が無い場合が多い。』から、といったものだ。

それはフィニッシュタイミングのみでしか出力を発揮しないこのカードの性質上の問題。

《シャコガイル》単体が強すぎない以上、彼を使うデッキが勝ちすぎる時、その原因は必ず《シャコガイル》を出すまでの過程の方にある。必ずだ。

現環境のゲームスピードにおいて《シャコガイル》を使うようなコンボチックもしくはロングランなデッキが本当に強すぎる場合、《シャコガイル》を規制したところで結果が変わらないのは想像に容易い。

【白緑メタリカ】や【猿ループ】を思い出してもらえると分かりやすい。彼らのように本当に強すぎるエンジンを持つデッキは、もし《シャコガイル》が規制されようとも、その暴力的なリソースエンジンで他のエクストラウィンすらも容易く使いこなすだろう。

勿論勝率そのものは下がるだろうが、デッキの強さの本質が消えない限りそのデッキは強すぎるままだ。



《シャコガイル》単体は強すぎないし、だからこそ彼を使うデッキが強すぎる場合、彼に規制を掛けても止まらない。

意味が無いのだ。

そしてこれは当然開発側も理解しているだろう。だから《シャコガイル》は殿堂しない。






◉ヘイト総量


ここまで書いていて気になった。逆に《シャコガイル》の規制を予想しているプレイヤーは、どのような考えを持ってそう予想しているのか。

殿堂しそうだなと思うどころか、私には殿堂するための理由に全く見当が付かないほどだ。

しかしプレイヤーからは常に規制の声が絶えない。


「つまらない」。「デュエマじゃない」。


その原因が《シャコガイル》へ向かうヘイト総量にあるのではないかと私は考える。


前述した通り、《シャコガイル》はカードとして強すぎることは無いが、従来のエクストラウィンやコントロールフィニッシャーに対して明確な優位性を持っているがためにその採用率は高く、結果的に現環境において彼に殺される機会は非常に多い。

本来それらのデッキは、もし《シャコガイル》が無くとも他の手段を用いて相手がつまらないと感じるレベルの封殺をすることのできるリソースエンジンとデッキ性質を持っており、且つそのように相手を封殺する目的で握られたデッキである。現プールでは《シャコガイル》がそれに最も相応しいというだけに過ぎない。


《シャコガイル》でなく『ヴォルグ連打』で殺されるなら面白いのか?《ジエンドオブユニバース》でエクストラウィンされるならデュエマなのか?そんなことはないだろう。

彼らはその都度つまらないと感じているはずだ。デュエマじゃないと叫ぶはずだ。


《ヴォルグ》や《ジエンドオブユニバース》に殺される機会が、今は《シャコガイル》ただ一人に集約されているだけである。同様にエクストラウィンに対するヘイト値やストレスも一身に《シャコガイル》が受けているのだ。

だからこそ《シャコガイル》=つまらない・デュエマじゃないというイメージが先行しているのではないかと踏んでいる。しかし実際にはそう感じる機会の総数はほとんど変わってはいない。

《シャコガイル》がそのように捉えられているのはあくまでそれらコンボチック・ロングランなデッキでの《シャコガイル》の支配率が高いからで、《シャコガイル》が強すぎたり、他の封殺系フィニッシャーに比べ特別つまらないからではないはずなのだ。






◉シャコガイルがつくる未来


私は《シャコガイル》というカードが結構好きだ。エクストラウィン系統の中では《ヴォルグ》の次に好きかもしれない。

何かとヘイトの向かいやすいカードではあるが、実は彼が貢献したのはデッキの向上だけではない。


【ゴクガサイクル】。


かのデッキは他のエクストラウィンデッキにも劣らないリソースエンジンを有しているが、変換先の問題から《ジエンドオブユニバース》や《フォーミュラ》には恵まれなかった。

しかし《シャコガイル》はそこにいた。彼がいたからこそ、初めてエクストラウィンが出来たのだ。《シャコガイル》の条件の緩さが新たなデッキタイプを産み落とした瞬間だった。



彼は他のエクストラウィン群を全て過去のものとするほどの強さを持ったが、その強さはなにも完全に一辺倒なものではない。【ゴクガサイクル】を産み落としたように、多様性を許容する一面もある。

この記事で書いたようにまだ彼が殿堂しないのであれば、この先まだまだ想像もつかない【ゴクガサイクル】のようなエクストラウィン群と出会える日が来るのだろう。






◉おわりに


しかし本記事の考察をする上で《シャコガイル》と真剣に向き合った私は、彼を殿堂カードたらしめる出力を発揮させてしまうレシピを作り上げてしまったのだ。

ここまで殿堂しない殿堂しないと読ませた上で大変に申し訳ないのだが、このレシピを開発側が試した時、その時こそが彼の殿堂入りが決まる瞬間となってしまうだろう。本当にすまない。



『シャコ貝のオリーブオイルがけ』

シャコ貝…3つ
トマト…1個
オリーブオイル…大さじ2
塩…少々
しょうゆ…小さじ1
メメント守神宮…4枚



しょうゆ小さじ1だけだとどうしても【轟轟轟】が止まらないので《メメント》入れました。


  1. 2018/11/14(水) 19:02:40|
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バニラは青汁みたいなもん





昨日TLで「デュエマがこんなんだからやめます」みたいなブログが流れてきた。

・テキスト不備が多いから。
・エキスパンションごとに使わないバニラ等の弱いカードが多すぎる

という二つの理由が原因でやめるのだそう。


テキスト不備はヒューマンエラーが関わるのでしょうがなくね?以外の感想が無いから平行線にしかならない…。

けど、バニラについてはバニラの素晴らしさを伝えることができる。

実際この人のブログのみに限らず、「バニラみたいな使わないカード入れるくらいなら、面白いカードを入れたりするか、一層の事入れないで欲しい」みたいな意見は日々よく目にするものだ。


それじゃあ伝えなきゃな。俺にできることはこれだけだ。いや、バニラはすごいぞマジで。すべてのtcgはバニラに支えられてると言っても過言ではない。




◉バニラはtcgの命


バニラは三つの面において、tcgの命を守ってくれている。


【元気】バニラは、エキスパンションの商品価値を高めてくれる。
【健康】バニラは、tcgが即死する機会を減らしてくれる。
【長寿】バニラは、tcgの寿命そのものを延ばしてくれる。







◼︎【元気】バニラはエキスパンションの商品価値を高めてくれる。


そもそも何故バニラみたいな弱いカードをエキスパンション内に入れなければならないのか。

これは当たり前な話だが、tcgにはレアリティがあるからだ。

レアリティという希少価値の基準を定め、強いカードをレアリティの高いものに設定し、弱いカードをレアリティの低いものに設定する。

そうすることで強いカードが一人当たりに回ってくる枚数が減り、商品がより多く売れることを狙っているのだ。

特にMR、SR、VR、R、U、Cと数多くレアリティを分けているデュエルマスターズに関しては、その強弱に差を付けるのが難しく、必然的に一番最低レアリティのCにはバニラや準バニラ等の明確に使われないだろうと感じるカードが設定されやすい。


そこで「その弱いカードがいらないって言ってるんだよ!」って人に聞いて欲しい。

弱いカードが少ないエキスパンションが価値が高いように感じているのかもしれないがそれは違う。

tcgのエキスパンションというものは、強いカードが沢山入っているエキスパンションこそ価値が高いのだ。


例えばR4種(内1種センノー)、U6種(内1種オニカマス)、C8種みたいなエキスパンションだったとしよう。

この中から弱くて使わないであろうカードを完全に抜ききってエキスパンションを組んだぞ。勿論Cのカードはすべて消えた。

すると一番最低レアリティにオニカマス率いるUレベルの強さを持ったカード達がCが落ちてくる事になる。センノーだってU程度のレアリティだ。

となれば勿論オニカマスやセンノーの価値は落ちる。一箱向けばオニカマスとセンノーの群れ。勿論SRやVRなどそのエキスパンションの顔を張るカード達も、それぞれ希少価値が薄くなっていく。


確かに弱いカードが消えた事で、そのエキスパンションの強さの平均値は上がった。しかしそれは裏を返せば、強いカードをいつもより簡単に集めやすいエキスパンションだという事だ。

今まで4箱剥いていたのに、その弾は3箱剥けば欲しいものが全部手に入った。オニカマスなんて10円ストレージで顔馴染みだ。

それでは商品は売れない。1パックあたり、もしくは1箱あたりの価値が薄いからだ。

そう。バニラ率いる弱いカードは自身が弱いがために、自身より強いカード達の価値を高めてくれる。彼らがいる事でデュエルマスターズはたくさん売れる。彼らがいる事でデュエルマスターズは元気に続いている訳だ。






◼︎【健康】バニラは、tcgが即死する機会を減らしてくれる。

「じゃあUの強さのカードをCの枚数分新たに作って、Cのカードにすればいいじゃん!」

確かに。そうすればCも強いし、元々Uのカードもそれなりの人気を保ったままだ。

よしじゃあそれを今後ずっと続けて行こう!

…しかしそれはある日、そのtcgの即死を呼ぶ猛烈な毒となる。


エキスパンションを開発する上で、テストプレイを避けて通ることはできないだろう。

それはMR、SR、VR、Rといった高レアリティの物は勿論、Uみたいな「使えるカード」もやっているはずだ。

特にデュエルマスターズみたいな過去に無限のプールを持つtcgは「面白いカード」とか「相性が良ければ強そう」なカードすら、テストプレイを通さない限り完全に安全だとは言えないだろう。

そしてそんな「面白い」とか「使えそう」なカードは、Uにも多く存在する。

Uの強さのカードが増えるということは、その分Uのカード分のテストプレイの負荷がかかるということだ。

その負荷は必ずそのエキスパンションのSRやVRといったトップレアリティの物に響いてくる。今までトップレアリティにかけてきたテストプレイの時間が、少しずつUに奪われていく。

そしてある日突然産まれるのだ。《ヤバげな豆の赤ちゃん》が、産声を上げながら。


そこでバニラ率いる最弱軍団のお出ましだ!最弱軍団の名に恥じない働きをするぞ!勿論テストいらないです!テストプレイヤー様方には一切手間を取らせません!肩でもお揉みしましょうか!パックには自分たちで入っておきます!

そんなテストプレイに負荷をかけないバニラ達は、tcgの日々の健康を守ってくれているのだ。






◼︎【長寿】バニラは、tcgの寿命そのものを延ばしてくれる。

「じゃあテストプレイヤーの数を増やせよ!もしくは商品発売を遅らせてもいいからテストプレイの時間を増やせよ!」

なるほどな!確かにそれなら即死の機会も少ないまま、より良いエキスパンションを作れるかもしれない。


よしじゃあ仮にテストプレイヤーの人数を増やして、テストプレイの時間も増やして、Uの強さのカードが沢山入ってるエキスパンションを作りました。さて何が待っているでしょう。

それはデュエルマスターズが迎える、より早い寿命だったとさ。


どんなtcgにも終わりはある。カードはインフレするものだからだ。そうでなければ商品として売れない。インフレして、進化して、最後には天井にぶつかり死ぬ。

スタン落ちの制度を設けてないデュエルマスターズみたいなゲームにおいて、それは避けられない。

やっと最近になって2ブロックといった限定構築レギュレーションが出来たが、通常に比べるとまだ人気は浅く、将来的に伸びる保証もない。

デュエルマスターズはまだ、スタン落ちの制度の無い通常構築に縛られている。その間は、この寿命の概念に悩まされるのは仕方がないことだ。


Uの強さのカードは、Cに比べて割とはっきり強さを持っているものが多い。最近のエキスパンションのUとCを見比べてもらうとすぐわかるだろう。

Cが2-3枚しか使われないのに対して、Uは5枚なんてザラに使われる。

そのはっきり強さを持ったカード達を、今の倍以上のペースで世に送り出すと言うのだ。

それは少しずつでもインフレの歩みを進めて行くことに通ずる。また、互換カードばかり出すわけにはいかないため、将来的に出すカードのテキストの幅を狭めることにもなる。

今の弾は前のUに比べ違う挙動で強いもの、次の弾は今の弾のUに比べ違う挙動で強いもの…。

そうするとその波はいつしかRに届きかねない。圧迫されたRはより強さと個性を求めてVRを圧迫しかねない。

こうやって少しずつでも、いつしか必ずデュエルマスターズの寿命を縮める一手となるのだ。必ずだ。


しかしバニラは違う。何故か。
それは、彼らがバニラだからだ。

刷りたいならいくらでも刷ればいい。デュエルマスターズの寿命を縮めることなんてない。毎秒刷れ。

Uなんて圧迫しないさ。何故なら俺らは君たちに比べてはっきり弱いからな。毎秒刷れ。


そう。バニラははっきり弱く、またはっきり個性が無いが為に、デュエルマスターズの息を長くしてくれる。彼らがエキスパンションに居てくれることは、そのtcgの長寿に繋がるのだ。






◉まとめ

以上の三点で、バニラはtcgの命を守ってくれている。

しかもここに加えてバニラと相性の良いデュエルマスターズの人気コンテンツがある。


それは勿論、重厚な背景ストーリーのことだ。

バニラはバニラであるがゆえに、テキストボックスの余り方が尋常ではない。田舎のコンビニの駐車場レベルの広さだ。

よってデュエルマスターズが誇る重厚で面白い(マジで面白いから読んでない人には読んで欲しい)背景ストーリーを存分に載せることが出来る。

って事でバニラの凄さを伝えるぞ記事を終わりにしたい。少しでも彼らの凄さ、格好良さが伝わってくれたなら幸いだ。


では最後にオチとして皮肉を交えて言っておこう。








バニラは、テキスト不備が少ないのも魅力的だぞ。

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  1. 2018/09/30(日) 17:42:20|
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ドギラゴン剣はどうして殿堂しないの?



◉オルガ・イツカ


2018年春。ドギラゴン剣はその環境を席巻した。

《“龍装”チュリス》が登場した2018年2月付近から【メタリカ】と入れ替わり最大母数の座を奪うと、今現在の2018年9月までの7ヶ月間で一度たりともその椅子を奪われることはなかった。

3月の全国大会で【赤青バスター】がBest8に4人とその半数を支配すると、その後行われたDMGP6thにおいても入賞数最大のデッキタイプとなる。

その支配率と入賞数は全盛期にまでは及ばずとも、それを彷彿とさせるほどの驚異。度重なる規制を前にしてもドギラゴン剣の拡張性とユーザーの試行錯誤は底を見せず、剣はあの頃より鋭く見えさえした。


そんな最中、殿堂発表の場は設けられた。夏、2018年ワールドホビーフェア。

今までも幾度となく禁止制限の話題に上がった彼だが、周りのカードを切り離し、何とかここまで生き延びた。

登場から既に2年が経過し、再度ここまで支配率・入賞数を高めた今こそ、ドギラゴン剣が消えるに相応しいタイミングだと誰もが予感していたのだ。

しかしその殿堂リストに彼の名が連なることはなかった。

何故か。そして逆に、今回のこの条件で消えないのなら、一体どのタイミングであれば彼が消える事があるのか。






◉ドギラゴン剣は本当に強過ぎるのか


まずこの話をするにあたって、本当にドギラゴン剣が殿堂カード足り得る出力を持っているのか、強過ぎるのかという点についてだ。

多くのユーザーが持つこの認識に関しては、確定的に間違いはない。実際にドギラゴン剣は「強すぎるカード」なのだ。これは主観だのユーザーの認識だのそういう類の話以前に、規制リストからの引き算で証明されている。

例えば、「ドギラゴン剣のデッキが強過ぎた!」そんな前例が一つや二つであれば、ドギラゴン剣でなくその周りの「《プラチナ・ワルスラS》単品が強過ぎた可能性」や「《裏切りの魔狼月下城》単品が強過ぎた可能性」が示唆されるのもまぁわかる。


しかしドギラゴン剣においては違う。


【赤黒デッドゾーン】だけで《絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート》が殿堂したか。
【墓地ソース】だけで《プラチナ・ワルスラS》が殿堂したか。
【5cジョリー】や【ロージアダンテ】だけで《裏切りの魔狼月下城》が殿堂したか。


答えはノーだ。


こう何度もその時のドギラゴン剣のデッキパーツが掛かると、引き算的に考えて、原因が《プラチナ・ワルスラS》や《絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート》の出力に問題があるのではなく、当のドギラゴン剣本人の出力そのものに原因が絞られるのは自明の理。

今回の《勝利のアパッチ・ウララー》なんかは特に顕著で、ドギラゴン剣が登場するまで環境にお呼びが掛かることなど無かったカードなのに、ドギラゴン剣が出てからは殿堂が騒がれるほどの出力を見せるカードとなった。

この点においても引き算的に考えると「《勝利のアパッチ・ウララー》の強さにユーザーや時代が追いついた」訳がなく、「ドギラゴン剣の影響によりウララーの出力が引き上がった」と考えるのが妥当である。


その上で当のドギラゴン剣に完全な規制を掛けたくないから、デッキ単位での出力を下げるために《勝利のアパッチ・ウララー》を殿堂させた、と言うのが真で間違いないだろう。

それに近しい規制を、この2年間ドギラゴン剣の周辺で行ってきた。それには相応のリスクも付いて回っているはずだ。


そうまでしてドギラゴン剣をデュエルマスターズに留めたかった理由とはなんなのか。






◉理由①.『殴り合いには相手が要る』


ドギラゴン剣が殿堂しない理由は、大きく分けて2つあると私は考えている。

その片方が「殴り合いには相手が要る」というものだ。まずはそちらから説明していこう。


◼︎ビートダウンは同時に存在しづらい

開発はクリエイターズレターでも述べているように、簡単さやスピード感あるデュエルマスターズを望んでいる。

それを実現させるためには、多くの場合、複数のアグロ・ビートダウンが環境にあることが望ましい。

勝利条件の達成が一番速いパンチの応酬こそ「スピード感」を出すのに手っ取り早く、まただからと言って環境に一種類のビートダウンのみでデュエルマスターズに「スピード感」をもたらすほどそのアーキタイプが環境に蔓延するのは当然避けたいだろうからだ。

しかし、意図的に複数のビートダウンを環境に存在させるのは、おそらく私たちが考えている何倍もカードデザインとデバックの難度が高い。

何故ならアグロ・ビートダウンの到達点はその全てがより早くダイレクトアタックを行うことであり、この勝利条件の単一性とゲーム速度の早さから、コントロールやコンボデッキに比べて個性の幅が小さく、どちらのデッキが強いかがハッキリし易いため、結果的にアグロ・ビートダウンの代表が環境に一つだけ残るといった自体になり易いからだ。

【ドギラゴン剣】が【レッドゾーン】より優れたように、
【レッドゾーン】が【ガトリング】より優れたように、
【ガトリング】が【黒緑速攻】より優れたように、
【黒緑速攻】が【赤単速攻】より優れたように、だ。

その幅の小さい個性により、環境対面での優劣がハッキリ分かれない限り、二つ以上のビートダウンが同時に存在するのは中々に難しい。


◼︎新たな個性の誕生

しかし、新DM期。《異端流し オニカマス》等はそれを変えた。

「強い・弱い」のベクトルに加えて、「メタられやすい・メタられにくい」という新たな個性を打ち出した。

直後、ビートダウンの主流に【レッドゾーン】が舞い戻る。その後も【ジョーカーズ】や【轟轟轟ブランド】といったドギラゴン剣より「弱い」が「メタられにくい」ビートダウンが、「強い」が「メタられやすい」ドギラゴン剣と同時に環境で活躍することとなる。

この新たなベクトルのデッキ性質が、アグロ・ビートダウンが環境に複数存在することを肯定し始めたのだ。


◼︎好敵手

そんな話を経て題目に戻るが、デュエルマスターズが簡単さ・スピード感のあるゲーム、ひいては殴り合いのゲームとして成立するには相手が要るのだ。

今もしドギラゴン剣が居なくなれば、《異端流し オニカマス》等によってもたらされた新たな個性は事実上失われ、アグロ・ビートダウン事情は以前までの一辺倒なものに戻り、今のように複数のビートダウンがパンチの応酬を繰り広げる環境は失われるだろう。

ドギラゴン剣はそんな殴り合いの相手として大変に相応しく、現状彼の代わりになるほどの器量を持った「強い」が「メタられやすい」ビートダウン向きのカードが存在しないため、現状ではドギラゴン剣は規制されないのではないかと私は踏んでいる訳だ。






◉理由②.『エキスパンションデザインの本流』


ドギラゴン剣が殿堂しないもう一つの理由は、近年のエキスパンションデザインに纏わる理由だ。


『DMの4年間と新たなジャンケンポン』(下に簡単な説明あるのでわざわざ読まなくても大丈夫。読みたい人は是非読んでね。)


上の記事でも書いたように、ここ数年のデュエルマスターズは、rev・revF・新DM、そして双極編全てを含めて、ある意味で1つの大きなエキスパンションデザインが形成されている事実はもう疑いようもない。

上のやつ読むの面倒な人に簡単に説明すると、

❶侵略・革命チェンジによるものすごいインフレ(みんな買う)

❷インフレカードに強い《異端流し オニカマス》等の登場(みんな買う)

❸《異端流し オニカマス》等に引っかからない新カードたち(みんな買う)

❹侵略・革命チェンジ以降インフレさせてないのに売れてる(すごい)

だ。

そして、私はこのエキスパンションデザインにおいてドギラゴン剣が重要な役割を握っていると感じている。


◼︎ドギラゴン剣の役割

ではこの数年に渡る大きなエキスパンションデザインを手掛ける上にあたり、ドギラゴン剣の役割とは何なのか。

それは「インフレ側の頂点」に君臨し続けることである。

先ほども挙げた

インフレ(《轟く侵略 レッドゾーン》、他侵略)

さらなるインフレ(《蒼き団長 ドギラゴン剣》、他革命チェンジ)

インフレカードのストッパー(《異端流し オニカマス》、他踏み倒しメタ)

ストッパーに対して強いカード(【ジョーカーズ】、【轟轟轟ブランド】、【卍】など)

という分立の中で、最大のカードパワーを要するインフレの象徴こそがドギラゴン剣なのである。

そう、上記の記事の根拠から、これらの数年に渡るエキスパンションデザインの流れがドギラゴン剣は愚かレッドゾーン登場時から逆算して作られたものであると仮定した時、ドギラゴン剣はその本流の中で単純な出力が一番高いカード、つまり「インフレ側の頂点」としての役割を与えられている。

言ってしまえば新DM・双極編のこの一年半の間、カードパワーそのものはインフレしていないどころかデフレさえ起こしていると言っても過言では無い。

実際問題、この一年半の間にドギラゴン剣のデッキコンセプトより単純出力が高いカード群が登場していたのなら、今彼が環境のトップにいるはずがない。

何故なら彼はここ一年半のカード群と違ってオニカマスを始めとした強力な踏み倒しメタ群に縛られているのだ。数多の規制で手足をもがれているのだ。

そんな様々なハンディキャップを抱えた上でなおも頂点。今目の前にあるこの事実こそ、ドギラゴン剣こそが現デュエルマスターズにおいて最強のカード・インフレ側の頂点足り得る何よりの証拠なのである。


◼︎もしドギラゴン剣が消えたら


ではその「インフレ側の頂点」を何故規制してはいけないのか。

それはこのエキスパンションデザインの本流が、インフレの頂点とビートダウンの頂点をドギラゴン剣から動かさないことを前提として形成されているからだと予想する。

そのドギラゴン剣を排除してしまうと、本来開発側が設定し想定したメタゲームのパワーバランスが崩れてしまう恐れがあるのだ。

場合によってはメタゲームだけに留まらず、後続の商品価値へも支障をきたす。

そしてそれはユーザーが判断すべきものではない。というか出来ない。何故ならこのデザインの本流は未だその全貌を明らかにしていないからだ。


例えばドギラゴン剣が消えたとしよう。

●オニカマスや《デスマッチ・ビートル》が使われなくなって、『Jチェンジ』が本来設定した強さ以上のモノになってしまうかもしれない。

●【卍】が相対的に勝てなくなり、次弾の『魔道具』のカード人気に支障をきたすかもしれない。

●現在の材料だけでは私たちが見えていないだけで、開発側にはもっと良くない未来が見えているかもしれない。


このように、本来のパワーバランスが崩れる恐れがあるかどうかを判断できるのは開発側だけなのである。

よってこの一連のエキスパンションデザインの全てが安全な着地をできると開発側が判断するまでは、手放しでドギラゴン剣を見送ることが出来ないのでないか、と言うのが私が考えている二つ目の理由だ。






◉近年のエキスパンションデザインが見せた弱点


ここ数年のデュエルマスターズのカードデザインは本当に素晴らしい。

特にこの数年に渡って一つのエキスパンションを描き、その中で新たなメタゲームを展開させる事で、カードパワーのインフレをせずとも購買欲を誘う商品を生み出す手法には何の非もないと感じるほどだった。

しかし何事にも弱点はあった。

今回であればそれは、想定したパワーバランスやメタゲームが実際と異なる場合が一番に挙げられるだろう。

想定しているよりもドギラゴン剣が強ければ、想定しているよりもオニカマスが弱ければ、この数年かけたエキスパンションデザインは過去も未来も含めて失敗に終わる恐れすらあった。それは想像を絶するほどデリケートなデザインとデバックが要求されたことだろう。

ドギラゴン剣こそ、己が身を環境に残すために周りのパーツを規制せざるを得ないといった多大な代償を払いはしたが、むしろこのデザイン間において、ドギラゴン剣の出力のオーバーさと《突如として現れた謎の豆》以外大きく目立った粗が無いのは、もう賞賛の他無い。

この一連のエキスパンションデザインが終わって次のデザインに移る時も、またこのような美しいデザインを期待したい。






◉ドギラゴン剣の将来


以上が、ドギラゴン剣が殿堂しない理由として私が導き出したもの+ちょっとした蛇足だ。

そしてここまで書いていて気になったことが一つだけある。

今後ドギラゴン剣の将来として予測されるのは以下の二つ。


❶「メタられ易さ」や更なる規制に引っ張られ、結果的に出力が落ち着き、ドギラゴン剣が殿堂しない未来。

❷彼が殿堂しない二つの理由の条件をどちらとも埋め、デュエルマスターズから必要とされなくなり殿堂する未来。


もし、もしだ。もし後者なら、

●「ドギラゴン剣に迫るほどの器量を持った強いがメタられ易いカードの登場」

または、

●「オニカマス等がもたらした新たな個性に頼らずとも複数のビートダウンが存在出来る土台の形成」

が必要になるのだ。


それが狙って出来るとしたら、すごい。いや、すごいなんてもんじゃない。凡才では想像すら出来ない圧倒的なデザイン力がそこにはある。


ヤバい。ヤバいぞ。まだまだ、デュエルマスターズからは目が離せない。


  1. 2018/09/29(土) 21:40:23|
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